安国論
◎立正安国輪(二〇九頁)
一巻三六紙(第二四紙欠失、功徳日通師の写本を以て之を補う)
天地二九・三p全長一五九八・二p
鎌倉幕府に上進した「立正安国論」を、文永六年十二月、聖人みずから書写し、同書撰述の由来とその後の経緯を奥書として追記された文篇である。すなわち当時流行した天変地変飢饉疫病の原因は、国を挙げて禅・念仏等の邪教に帰依している故であると断じ、多数の経釈を引用して治国の大本を明らかにするとともに、この災難を根治する救国済民の正法は法華経以外には存在せず、もし速やかに法華経に帰信しなければ、必ず自界叛逆・他国侵逼の大難も続発するであろうと警告された御述作である。本書は文永六年、矢木式部大夫胤家に授与されたところ、弘安三年沙弥道正(遠藤右衛門入道)がこれを相承し、嘉元四年正月、同人から本妙寺の日高師の許へ奉納したものである。なお本書の奥書は、「定本遺文」は「安国論奥書」と標して別開している(四四二頁)。